真・女神転生IV FINAL
【しん・めがみてんせい ふぉー ふぁいなる】
ジャンル | RPG |
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対応機種 | ニンテンドー3DS | |
メディア | 2Gbyte 3DSカード | |
発売・開発元 | アトラス(セガゲームス) | |
発売日 | 2016年2月10日 | |
定価 | 6,648円(税別) | |
レーティング | CERO:C(15才以上対象) | |
判定 | 良作 | |
ポイント | 前作『IV』を下敷きにした、マニアクスではない完全新作 | |
女神転生シリーズリンク |
概要
- 前作をベースにシステムやバランスなどを改良し、新しい登場人物で描かれる新しいストーリーとなっている。
- 前作と同じ岩盤で覆われた閉鎖空間・東京を舞台に、フリンが最終戦争へ挑む直前から物語が始まる。
ストーリー
203X年*1、閉鎖空間・東京。
東京を覆う天井の上、東のミカド国からやってきたサムライ衆の一人、フリンの活躍で八部連合阿修羅会、ガイア教団といった東京を支配していた勢力は壊滅、さらに東京で最終戦争を繰り広げようとしていたルシファーとメルカバーに対抗しようとしていたフリンを人々は「希望の星」と呼ぶようになっていた。
ある日、人外ハンター商会に見習いハンターとして所属する主人公は、ハンターの先輩のニッカリとマナブ、同じく見習いのアサヒと共に定期の食料調達にでかけた際にルシファーの配下の悪魔アドラメレクに襲撃され命を落としてしまう。
黄泉の国を彷徨う魂となった主人公は黄泉平坂で魔神ダグザに呼びかけられ、ダグザの「神殺し」として黄泉帰ることを選択する。
新要素・改善点
- パートナー
- 前作の「同行者」を発展させたシステム。メインパートナーを選ぶと戦闘中にそれぞれ異なったスキルで戦闘をサポートする。
- メンバーのスキルについては下記の登場人物の項目参照。どれも個性があり、場面と戦略にあったパートナーを選ぶことが重要。
- 今作ではパートナーもレベルアップし、レベルに応じたスキルを覚えるようになる。
- 前作のように耐性無視して突貫する味方と異なり、今作では敵の耐性に合わせた攻撃を行ってくれる。(無効、反射、吸収される敵しかいない時は攻撃をしない)
- さらに倒れても一定時間経過後に自力で復活する。回数制限もないため最悪デコイとして利用することも。
- メインパートナーが一定回数行動すると「アシストアタック」という強力な攻撃が発動する。これはターン終わりに敵のターンを丸々潰しつつ同行しているパートナーのうち数人が回復と補助をしてくれた後、パートナー全員で一斉攻撃を仕掛けてくれるもので、戦力の立て直しやダメ押しに非常に有用。ちなみに、ボスの問いかけにどう答えるかによってゲージが増減する場合がある。
- 遺物を拾った際に、パートナーも一緒に拾ったりしてくれる。
- また、パートナーは物語の進行に合わせて戦闘中や遺物拾い時に見せる反応が変化する。かなり細かく変化するのでパートナーを色々変える楽しみもある。
- 悪魔のスキル適正
- 悪魔ごとに扱うスキル属性の得意・不得意を表すスキル適正が追加。
- スキル適正が高いと消費MP軽減・威力上昇といった恩恵があり、低いと逆に消費MPが増加し威力も低下してしまう。
- ステータスを上昇させるより効果が高いため、単に「強力なスキルを持たせればよい」というだけではなくなり、合体の取捨選択がより悩ましくなった。
- 適正がプラス1以上の場合のみ、特定のアイテムを使って適正を成長させることができるが入手難易度が高い*2ため、気軽にはできない。
- マイナス適正や適正0はどうやっても改善できない。
- 悪魔ステータスの改善
- 前作のような全ステータスゾロ目といったものはなくなり、個性が出るように調整された。
- 固有スキルも前作から増加している。
- 戦闘中ボイス
- 悪魔やパートナーに戦闘中ボイスがついた。攻撃時や倒された時など様々な反応を見せてくれる。
- オーディンやミロクなど固有ボイスを持つ悪魔もいる。
- アリスは前作ではウィスパー時などに固有ボイスを持っていたが今作では汎用ボイスになってしまい、「死んでくれる?」ボイスが聞けなくなった。
- 「ニヤリ」の仕様変更
- ニヤリ状態になっても超回避はなくなり、敵がニヤリしても回避されてすぐ敵ターンということはなくなった。
- また、ニヤリ状態になれるスキルやニヤリを解除するスキルも登場。
- 前回よりもニヤリになりやすいため、メンバー全員ニヤリで回復はなくなった。
- ニヤリ時にのみ別効果が発動するスキルが登場。
- 即死効果のハマ・ムド系は今作ではダメージスキルに変更され、ニヤリ時に一定確率で即死効果が発動するように。
- 従来のハマ・ムド系魔法は相性に応じて敵を一撃で倒すというもので弱点属性であっても成功しないと弱点扱いにならなかったが、これによりプレスターンとの相性の問題で避けられがちだったこれらの習得意義が大幅に増している。
- ヒスイの守刀
- 特定のポイントで霊力を補給し、障害物を排除したり遠くの遺物を取ったり、敵を追い払うこともできる。
- これで入手できる異物は一度しか入手できないが、超貴重アイテムや大量の攻撃アイテムを入手できる。
- 霊力は移動すると減るためパズル的な要素となっている。
- 死者が扱う刀ということで主に幽霊のナバールが使用する。
- ヒスイの守刀使用中はナバールが主人公の周囲を浮遊する。カメラが寄ると彼のプリケツを拝めるという誰得なサービスも。
- 特定のポイントで霊力を補給し、障害物を排除したり遠くの遺物を取ったり、敵を追い払うこともできる。
- ハンターメモ
- 人名、専門用語などが解説されている。前作をプレイしていない人でもこれを読めば大体のことはわかるため、目を通すといい。
- パートナートピック
- 物語の進行状況に応じて仲間から送られてくるメッセージ。シリアスな悩みや笑いを誘うものまで様々である。
- チャレンジクエスト
- 今作では物語の進行に応じて人外ハンター協会から依頼が直接来るような形になった。
- 悪魔会話で悪魔から依頼されることがなくなったため、こちらは残念がられている。
- デジタルデビルサービス(DDS)
- 通常のすれちがい通信の他、インターネットを使ったすれちがいが行えるようになった。
- インターネットでのすれちがいは、一度すれ違ってから2時間以上プレイ時間を開ける必要があるが、地方ユーザーでも気軽にすれ違えるのはありがたい。
- 通常のすれちがい通信の他、インターネットを使ったすれちがいが行えるようになった。
- 悪魔2身合体
- 前作では削除されていたが、ユーザーからの要望を受けて復活された。
- 悪魔会話
- 前作の使い回しではなく、ほぼ一新された。
- 会話中に悪魔がいなくなることもあるが、別の遭遇時に前回の会話の続きを行えることもある。
- 好感度のようなものがあり、何度か会話していると顔見知りとして接してくれるようになり、仲魔になりやすくなる。逆に、殺しまくっていると嫌われて即交渉決裂になる場合もある。
- 東狂
- ストーリー中盤以降になると行けるようになるランダム生成ダンジョン。
- 特定階層にボスとして「魔人」が居座っており、倒すことで合体が解禁される。
- 前作のように低確率遭遇の為に何度もリセットを繰り返す必要はなくなった。
- 魔人戦は、発狂パターンの削除とプレスターンが3つまでと若干控えめになったが、代わりに10ターンという時間制限がついた。
- HPは数万あるので、よほどダメージを突きまくらないと倒し切るのは難しい。
- 10ターン経過すると強制的に外に叩きだされるが、与えたダメージはそのままなので、粘りまくればそのうち倒せる*3。
- DLCで最深部を開放することによって周回が可能になり、周回する度に敵のレベルが上昇し999レベルの敵が出現するエンドコンテンツになる。
- 魔人を倒すと前述のスキル相性強化アイテムやレアな装備品などをドロップするのだが、周回ごとに一度にドロップする数が増えていく。
- なお、難易度が戦争(所謂「Normal」)以上でなければ挑むことができない。
- 魔人は、ニヤリ時に強化される特殊効果付きのHP・SP吸収攻撃(魔人専用スキル)と専用攻撃スキルを持ち、マタドールと黙示録の四騎士はさらに貫通スキルまで持っている。
- マップ・ダンジョン
- 現在地点の地名が表示されるようになった。
- ラージマップを拡大縮小ができるようになり、細かいところを見ることもできるようになった。
- 物語の目的地にマークが表示されるようになり、迷うことも少なくなった。
- 新宿や渋谷など前作で出たマップも使い回しではなく、新たに作りなおされている箇所もある。
- 地下街は小物が増えて、より生活感が増した。
- ハシゴや穴を調べる時に、前作では十字ボタンを使って視点を変更する必要があったが、今作ではAボタンを押すだけで調べられるように。
- ダンジョンに回復の泉が設置された。お金を払うことで全回復できるように。
- 新しいアプリ
- 毒エリアでのダメージを回避するアプリや、低レベルの悪魔が襲ってこなくなるアプリなど、便利なアプリが追加された。
- エストマ復活
- 前作で大きな要望であったエンカウント回避魔法「エストマ」が復活。一定時間敵シンボルに体当たりすると吹っ飛ばす事ができる。
- 前作からのエストマソードも引き続き登場している。
- 住人との会話
- 未読の会話があるとマップに「吹き出しマーク」がつくように。
- 前作では細かく住人と会話しないと世界観が見えない仕様だったが、今作ではハンターメモで世界観がわかるようになっている。
- 住人は住人で物語の進行に合わせてそれぞれ別のドラマを展開する仕組みになっており、スルーするにはもったいない作りになっている。
- その他細かい変更点
- アタックモーションが引きの動作をキャンセルして連打できるように。シンボルに空振りして先制される心配が減った。
- 前作より判定が早く発生するうえ範囲も大きい。明らかに届いてなくても切れたりするため、アクションが苦手な人でも被先制のリスクが減った。
- また、前作より敵シンボルがこちらを追ってこないため、敵をよけやすくなっている。
- 宝箱を開ける際にきっちり正面に立たなくても開けられるようになっている。
- ラージマップにおいて出現したシンボルが主人公を追尾しなくなった。
- ただし細い道に居座られて倒さざるを得ない状況は起こりうる。また、ラージマップでアタックが出来ず先制されるリスクが生じる点は変わっていない。
- 悪魔全書の登録率が復活した*4。
- 専用スキルはウィスパーイベントによる習得は完全不可能になり、合体事故でしか継承できなくなった。
- 合体時にスキルの順番を自由に決められるようになった。合体後もメニューでスキルの並び替えがいつでもできる。
- セーブスロット数が5箇所に増加(ゲームカード1箇所・SDカード4箇所)
- ちなみに、ゲームカードに保存する場合はSDカードに比べて所要時間が長めになっている。
- 前述の守刀で入手できるアイテムの中に3種類の宝石があり、これらを貴重なアイテムと交換できる。
- とりわけダイヤモンドで入手できるアイテムが「プレスターンを常時+1」など非常に強力なのだが、普通にやると転生周回しないと入手できない。
- アタックモーションが引きの動作をキャンセルして連打できるように。シンボルに空振りして先制される心配が減った。
登場人物
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主人公とパートナー達
その他登場人物
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評価点
- 前作からの改善点
- 上記の新要素・改善点も参照。前作で出た批判点などを取り入れうまく改善しており、プレイヤーからも概ね好評。
- 特にスキル適正はスキル継承の自由さと悪魔の個性を両立させたことで悪魔合体の幅も広がり、「今後のメガテンシリーズにも取り入れてほしい」という声が高い。
- ダンジョンのギミック増加
- 「ただの通り道」と批判された前作のダンジョンから一新、ギミックも増えて頭を使う場面も多く登場。
- 旧作ほどではないが、前作よりも攻略しがいのあるダンジョンとなった(ただし最終ダンジョンを除く)。
- 手応えのあるボス達
- 前作のような全体万能魔法連打ではなくなり、それぞれ個性に見合った攻撃を仕掛けてくるように。
- ほとんどのボスに弱点が追加されため、ボスに合わせた仲魔の構成を練る必要も出てきた。
- さらに弱点をつかれると能力アップするスキルや弱点を変えてくるなどバリエーションも。
- ラスボスはレベル99でも仲魔と戦略をしっかり練らないと苦戦するほどの強敵。
- 「絆」か「皆殺し」か、二つに一つのストーリー
- 前作と異なり今作では基本ニュートラルルートで進み、最終的に仲間と手を取るか、孤立するかというニュートラルの裏表を表現したストーリーとなっている。イメージとしては、前者が従来のライトルート、後者がダークルートに近い。
- これまでのシリーズではあまり多人数で行動することはなかったが、本作では最大7人ものパートナーを連れて行動するため、普通にプレイすると絆ルート側に傾きやすいとされている。
- 誤解無きよう書いておくと、皆殺しルートはダークではあるがバッドではない。先導者であるダグザの言い分も理に適ったものである(感情面はさておき)。「殺伐とした『メガテン』がいい」という人や、『ペルソナ』、『デビルサマナー』に近い、仲間との絆も楽しみたい人でも選んで進めるという形になっている。
- また、皆殺しルートでは離別後にキャラ一人を女神(パートナー、男性キャラでも)として選択できる。要はヒロイン選択。いや、もはや主人公をアダムとみなした場合のイヴ選択である。
- 「(女性の場合)ルートに関係なく一人の女性を無二の伴侶として選択できる」というのは基本的に相手がスタンスやルート固定か恋人とまではいかないで終わる女神転生シリーズとしては珍しい。
ちなみに、選択したキャラしかパートナーに出来なくなるので、実利でチョイスするのもあり。 - もっとも、このパートナーは生前の意志に反してただ主人公に絶対服従するだけの存在であり、主人公から見ても新たな世界を生むための道具でしかなくなっている。
- ちなみに今回の分岐は、これまでのシリーズと違いストーリー中の選択肢でルートが狭まらず、ある特定の一点の選択肢のみでルートが決定される。
- ただしストーリー中の選択肢でいずれのルートが適するかの判定は積み重ねられている。
- 適性にそぐわないルートを選んだ場合、適性に合っている場合とは少しだけ展開が変わる。一見の価値はあるが、かなり厳しいペナルティも同時に課せられるので注意。
- 一方で、町の住民のセリフは「あいつ(フリン)に任せればいいんじゃないかな」的な台詞がかなり多い。この熱狂ぶりは敵の策略の一つなのだが、それに気づくまでは他力本願ぶりに若干気が滅入るかもしれない。
- 前作と異なり今作では基本ニュートラルルートで進み、最終的に仲間と手を取るか、孤立するかというニュートラルの裏表を表現したストーリーとなっている。イメージとしては、前者が従来のライトルート、後者がダークルートに近い。
- 新規悪魔絵
- 前作は様々なクリエイターによる作画だったが、今作はキャラクターデザインの土居政之氏が全て手がけている。
- 合わせて前作での新規悪魔絵も土居氏がリファインしている。
- 前作の新規組の内、他デザイナーによる新規悪魔の大半がリストラされた。これについては後述
- DLC
- 今作も多数の有料DLCが登場するが、前作のような物語の補完ではなく、純粋な追加ストーリーや経験値稼ぎ用アイテム入手などのプレイサポートに役立つクエストがメインとなっているため買わなくとも大きな影響はない。
- 例えば経験値獲得のDLCであっても換金アイテムや香、APアップアイテムを落とす敵がたまに現れるようになっている。宝石は入手できるアイテムが強力すぎるためか該当DLCでしか登場しない。
- 物語の補完に相当するDLCは無料で入手できる。
- 解禁される悪魔もボス2体のみで、前回のように購入前提の難易度ではない。
- ボス2体はそれぞれ強力な専用スキルや有用な特性を有し能力も高いがあくまであれば便利という程度。
- 悪魔合体ライトでしか素材に出来ないようになっており、専用スキルを引き継ぐことは不可能となった。ただし、超貴重スキル「破魔貫通」「呪殺貫通」*16は汎用スキルなので継承可能。
- 無料DLCでレベル999まで開放でき、そのためのエンドコンテンツDLCも用意されているのでかなりやり込める。
- 難易度はデフォルトで3段階だが無料DLCによって5段階まで拡張できる。特にDLCで解放される最高難易度「終末*17」はゲーム中でも「死のスリルを追求する人でも投げ出す」と説明されまた一旦選択すると他の難易度に戻せなくなるなど非常に緊張感と歯応えがある。
- 金剛神界で歴代主人公と共闘し、スティーブンと対決するというお祭り的なDLCも用意されている。
- ちなみに各キャラのスタンスは、初代のザ・ヒーローは未定*18、IIのアレフはロウ、IIIの人修羅はカオス(ルシファー)、IVのフリンはニュートラルとなっている。
各主人公の口調がどうなのかを知る貴重な機会でもある(ルートの影響も多分にあると思われるが)。 - なお、スティーヴンは今回初めて全力を出してくれるらしい。
- ちなみに各キャラのスタンスは、初代のザ・ヒーローは未定*18、IIのアレフはロウ、IIIの人修羅はカオス(ルシファー)、IVのフリンはニュートラルとなっている。
- 今作も多数の有料DLCが登場するが、前作のような物語の補完ではなく、純粋な追加ストーリーや経験値稼ぎ用アイテム入手などのプレイサポートに役立つクエストがメインとなっているため買わなくとも大きな影響はない。
賛否両論点
- デスペナルティなしの無限コンテニュー
- 生死を司る神、ダグザに取り憑かれたことで主人公がいくら死んでもマッカの消費や能力の減少などのペナルティなしで蘇生が可能。実質ゲームオーバー無しで難易度低下でカジュアル化している。
- 戦闘に入る直前まで戻してくれるので、戦闘中に使用したアイテムも消費無しで戻る。
- ただし終盤は、敵の力でダグザの力が封印されることによってコンティニューができないというダンジョンも存在する。
- 生死を司る神、ダグザに取り憑かれたことで主人公がいくら死んでもマッカの消費や能力の減少などのペナルティなしで蘇生が可能。実質ゲームオーバー無しで難易度低下でカジュアル化している。
- 新規悪魔の登場による前作までの悪魔のリストラ
- 今作は新悪魔、前作での新規悪魔絵も土居氏がリファインし、DLCも含めると14体の悪魔が新登場した。
- 賛否両論有ったデザインの悪魔もリファインされ、勢力ごとのボスである一部の悪魔達のデザインも改善*19されている。
- その一方で土居氏以外のデザイナーが担当していた前作新規組、前作以前から登場してきた 二十体以上の悪魔がリストラ されている。
- 今作は新悪魔、前作での新規悪魔絵も土居氏がリファインし、DLCも含めると14体の悪魔が新登場した。
- ラスボスへ挑む動機が絆ルートではやや薄い。
- 「敵を倒して平和になって、会ったことないけどとりあえず黒幕がいるらしいからそいつもついでに倒しに行こう」みたいなノリに感じられてしまう。
- 前作の世界やあるDLCをやるとラスボスに挑む理由が納得しやすいのだが、本作の絆ルートのみではやや描写に欠ける。
- 見方によってはとある人物に唆されただけのようにも見えてしまう。
- 周回要素の少なさ
- 2周目以降に解禁されるものが少ない。せいぜい数体の悪魔の解禁とクリア時の称号くらい。
- とはいえ、前作では仲魔にならなかったハイエンド悪魔や便利悪魔のチロンヌプ、スタンスは過去に戻りつつもえらいかっこよくなった某悪魔など、見どころと言える悪魔ではある。
- チャレンジクエストも前作より数が少なく、2周目以降に新規に与えられるものもないので「物足りない」という声が多い。
- ただし前作では周回要素の多さから「一々周回するのが面倒」「クエストが多すぎてコンプできない」といった声もあったため、一長一短ではある。
- 2周目以降に解禁されるものが少ない。せいぜい数体の悪魔の解禁とクリア時の称号くらい。
- 貫通
- 過去にもあったが、今作ではスキル枠を1つ使って属性の耐性を無視してダメージを与えることができるようになる(物理貫通、火炎貫通など)。
- 反射・無効・吸収すらも無視し、弱点だった場合は当然ダメージが増えるため、実質万能攻撃の上位互換となるため万能魔法の影がますます薄くなっている。
- 前作『IV』では貫通はDLC限定の上反射を無視できず、万能の性能も高かったため極めると万能一択になりがちであったゆえの調整とも考えられる。*23
- 強力ではあるが好みの仲魔に持たせるためには魔人の育成やスキル変異を駆使するなどかなりの手間がかかるため、そこまでできるころには既にクリア済みの強さなので言うほどバランスブレイカーにはなっていない。
- なんと今作では主人公が 全属性を貫通させる 「覚醒」を覚える。しかも、魔法四属性とかケチな話ではなく、物理・銃撃・破魔・呪殺も含めた全てである。ついでに全属性の威力アップ付き。
- これまでメガテンの主人公というと仲魔の補助にまわることも多かったが、覚醒を覚えることで高火力を存分に発揮できるように。
- パートナー達もナバールとイザボーを除いたメンバーがそれぞれイベントで覚醒を習得できる。ナバールとイザボーが終盤火力不足と言われる原因である。ただ、パートナーには火力というよりサポートに期待しているという側面が強いのでそこまで問題にはならない。
- アサヒはルートによっては覚醒を習得できない。
問題点
- バグの多さ
- プレイヤー側に有利になるものから、フリーズや進行不能といった困った事態を引き起こすものに至るまで種々雑多なバグが多数見られる。偶然の産物から再現性の高いものまで、一々上げるとキリがないほど多い。
- 特に周回時にすれちがい用の悪魔を設定していると起こる「転生バグ」は発生すると新規データを作るしかなくなるほどに致命的。
- いくつかのバグは更新データ(パッチ)の配布で修正されたが、それでもフリーズなどは時折起こるとの報告がある。中には新たに再現性の高いフリーズバグができたという報告もある。
- また、パッチを当てるとメニューを開くレスポンスが若干悪くなっている。
- 消化しきれなかったアキラ関連の謎
- 今作では東のミカド国を建国したアキュラ王にスポットを当てられている。
- 悪魔討伐隊員アキラがどのようにしてアキュラ王になったのかという経緯は描かれるものの、前作で語られていたアキラが天井を目指す原因になった姉の存在や、ナラクにミノタウロスを置いて行き来を妨げた理由は不明のままになっている。
- また、前作で異世界に消えたと思われる「フリンに選ばれなかった方のヨナタンorワルター」の所在は完全に不明のままである。ついでにタヤマも。
- トラップボール
- ダンジョンを歩いていると不意に「トラップボール」に捕まってしまう。アタックを繰り返すことで抜け出すことができるが、失敗するとどこかへ飛ばされる。
- 拘束中に敵シンボルが突っ込んでくるかと思いきや、トラップボールに拘束中は敵シンボルは何故かそばにいても傍観している*24。
- 拘束を解くには何度も攻撃しなければならず、ランダムに現れる上に見た目ではわからず、かなり鬱陶しい。
- 拘束を解いても、主人公がガッツポーズを取るため、捕らわれてから再び動けるようになるまでかなり長い。
- つまり不意に敵に襲われることもなく、ただただダンジョン攻略のテンポを悪くするだけの純粋なお邪魔要素となっている。
- 一応脱出時にはメインパートナーが褒めて*25くれるのでその反応を楽しめるという要素はある。
- 一部イベントでは使わないと先に進めないため、出現を抑えたり無効化するアプリなどは用意されていない。
- パートナーの性能差
- 回復役のアサヒ、状態異常が強力なノゾミ、状態異常防止のハレルヤ、万能なイザボーが場面を選ばず使いやすい。
- ハレルヤは後半に魔法攻撃もするようになるので若干使い勝手が悪くなる。
- トキも即死攻撃はボスには効かないが雑魚戦では非常に有効、ナバールも火力不足だが初見の敵の弱点探しに使えるうえ、補助の有用性は言わずもがな。
- 性能差というよりも、ガストン一人がパートナーの中でぶっちぎりで扱いづらいのが難点。
- ガストンはこちらのターンにプレスターンを消費して勝手に割り込んで攻撃するという困った欠点を持つ。割り込まれる回数もまちまちで、その確率も高め。しかも、攻撃を外すとさらにアイコンが減る。
- 中には2ターンで8回分の行動を丸々割り込まれて何もできずに全滅したなんて報告もちらほら。
- おまけに同じく割り込みを行うトキはアイコンを消費しない。暗殺者と目立ちたがりの違いだろうか。
- キャラの性格付けとしての意味があるが、問題は彼が自身の振る舞いを反省して成長した後もこの欠点が治らない点。おかげでメインパートナーにするとアイコンをガンガン消費されて運ゲーになってしまうため、縛りプレイ御用達という、散々な言われ方をしている。
- 一応ガストンにも今作の目玉ボス・シェーシャに有効な武器持ちという見せ場はあるのが救いかもしれない。
- 回復役のアサヒ、状態異常が強力なノゾミ、状態異常防止のハレルヤ、万能なイザボーが場面を選ばず使いやすい。
- 最終ダンジョン
- それまでのダンジョンと違い、ワープを多用した異様に長いダンジョンになっている。初見だと3~4時間はかかる。
- しかも登場する敵悪魔は会話で仲魔にできないため、ダンジョンに入ってからの補強は難しく、逃げるか倒すかしかないのでダレやすい。経験値は多いが、主人公はあっさりレベル99になるが仲魔のレベルが上がるには少ないという微妙な量。
- 景色も代り映えせず、どこまでも同じような道が続くため非常に迷いやすく、ぼんやりとした単調なBGMも相まってプレイしていて疲れやすい。「最大の敵は眠気だ」ともいわれる。
- 更新データにより「中間ワープ地点」が追加され、多少攻略しやすくなったが長さは変わらない。
- 実はこれでも3分の1ほどマップを削ったらしく、当初はこれの1.5倍の広さだったとか。
- しかも、所々にパラメータが一定値以上ないと通れない扉があるのだが、求められるパラメータが結構高い。
- 装備品の補正値も込みなのである程度緩和できるが、その存在を知っていると自由な育成の邪魔になりかねない。
総評
前作の批評を受け止め、改善がうまくいき前作の悪評を完全に払拭出来たと言える。
システムやバランスはうまくまとまっており、「今作のシステムで作りなおした前作を遊びたい」との声もあるほど。
しかし、前作の悪評もあってか売上は半減に留まってしまった。
プレイした人からの評判は良いので、『メガテン』シリーズ初心者にもおすすめできる作品になっている。
余談
- 「神や悪魔を使役する」ということで、毎回海外での発売が危ぶまれる本シリーズではあるが、今回ヒンドゥー教の聖職者が「クリシュナの登場」に抗議*26するという事態が起こった。
- メガテンファンからすれば「何を今更…」といった感じであった。ちなみにクリシュナは、FC版の初代『女神転生』から登場している。
- もっともメガテン及び日本のゲームの認知度と社会浸透度が高まった故に浮上した問題ともとれるが。
- DLCを入れない状態での難易度選択は「対立」「戦争」「大戦」の3段階
- それぞれイージー・ノーマル・ハードに相当するが、対立は「シリーズ初心者が難しく感じる」、戦争は「真・女神転生経験者が難しく感じる」、大戦に至っては「死のスリルを追究する方が難しく感じる」と全難易度で「難しい」と書かれており話題になった。
- ファンとスタッフに愛されてきたマーラ様が、とうとうフルボイスとなった。だからと言って何の自重もありはしない。それどころか、精子とか言い出した*27。
- 発表当初から「マニアクスではない」「完全版ではない」と宣伝していた。アトラスはメガテンシリーズのみならずタイトルを付け加えた完全版を出すことが多かったので誤解を受けやすいと自覚していたからだと思われる。
- それでも「『FINAL』というサブタイトルではわかりにくい」という声があったからなのか*28、海外版では「Apocalypse(黙示録)」というタイトルになった。
- 2018年4月19日にパック版『真・女神転生IV & 真・女神転生IV FINAL ダブルヒーローパック』が発売予定。
- 発売前から塩田信之氏によるコラム「塩田信之の真4Fと神話世界への旅」が定期的に連載され、それらをまとめた公式設定資料集「真・女神転生IV FINAL 公式設定資料集+神話世界への旅」が6月30日に発売された。
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